「ヨコハマ物語」少女漫画としての魅力

映画・美術

書店にいくと大和和紀先生のメモリアルイヤー特集本が積まれていました。それを見てテンションが高くなり久々にヨコハマ物語が読みたくなったけど過去の断捨離で手放したのを思い出しました。

少女漫画の華やかさだけではない、当時の時代背景、装束、生き方が情報過多に描かれていて、当時ワクワクして読んでいた思い出がよみがえります。

この記事はヨコハマ物語を知らない方に向けて、おススメする理由をまとめてみました。

時代考証をしている少女漫画

作者の大和和紀先生について、若い人たちは知らないかもしれません。でも、源氏物語を「あさきゆめみし」の力をかりて理解した学生は今でもいるのではないでしょうか。あさきゆめみしは大和和紀先生作品なのです。

ヨコハマ物語は明治期のヨコハマが舞台です。当時の風俗や時代背景が丁寧に描かれており、主人公が少女から大人の女性へ成長とともに多くの試練を乗り越えていく物語です。

舞台となるヨコハマは海外との貿易で栄え、あらゆる人種が入り乱れる街。明治期の新と旧が混合したドラマチックな背景は子供でも理解ができるように描かれています。

主人公は二人の少女。お嬢様万里子と奉公にきたお卯野。

性格や境遇が違う少女はお互いを認め合い親友となっていきます。成長過程で身に着けるファッションが多様で魅力的です。着物・ドレスどちらも大和先生の描くファッションは実在のものに近く、夢のキラキラファッションと一線を画した時代考証を感じます。

当時のドレスをAIで再現してもらいました。

漫画にはこのようなドレスを着た人が登場します。衣装関連の資料を研究されたと見受けられるディテールの美しさは眼福です。

少女漫画の要素がいっぱい

少年ジャンプで指示されるキーワードがあるように、少女漫画にも支持されるものがあります。

恋愛(成就するもの・悲恋もの)

友情

は少女漫画の必要要素ですね。それ以外にヨコハマ物語には複数の要素がはいっています。

家族関係

ファッション

波乱万丈

が追加されています。

「すてきなドレスだな」「着物の新しいアレンジだな」と感心しながら読んでいた記憶があります。

異国の地で一途に愛する姿や困難を乗り越えていくお卯野の生き方、経営の才能が開花する万里子の強さにカッコよさを感じました。

そして、大和先生の繊細なペンタッチが最後まで読みたくなる推進力となっていたような気がします。

表紙は少女漫画でかなり重要では?

当時は電子漫画がなかったので、書店で漫画を選ぶときは表紙が重要だったのではないかと当時を思います。

「ベルサイユのばら」もそうだけど、美麗な表紙というのは少女漫画への入り口なんですよね。

骨太な物語でありながらも美麗な要素を忘れない。そこが名作ゆえんなのかもしれません。

全8巻の漫画表紙だけで少女から大人へと変化がわかります。成長段階において好きなエピソードがあるので、「きょうはこの2巻を振り返ろう」と選んで何度も読んでいました。

『風と共に去りぬ』に影響受けていそうなエピソードだったりキャラ設定を感じたりしましたが、大和先生が描く強い女性像は時代を駆け抜ける力を持つということ。

それは現代と変わりがないように思います。

浪漫衣装展の図録にあるドレスが作中に似ているものがあり、多くの資料を参考に時代考証されていたのではないかと感心しました。

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