1930年代映画 「或る夜の出来事」ロードムービーの傑作

映画・美術

アメリカ映画「或る夜の出来事」は、現在(2024年)においてアマゾンプライムで視聴ができます。

何度も観ているのですが、アメリカ映画の良さが全部詰まっているような作品です。どういう意味かというのは後述していきますが、白黒映画だから避けている方には、それは勿体ないから見てほしいです。

おすすめ理由を3つ選んでご紹介します。

恋愛映画の王道~最初はお互いが気に食わない

あらすじについてはWikipediaをご参照ください。或る夜の出来事 – Wikipedia

失業中の新聞記者と富裕層でかけおちするような恋に盲目となっているお嬢さまが偶然出会い・お互いが変化していくロードムービーです。

新聞記者は出会ってすぐにお嬢さまの素性がわかり、仕事の種として近づきます。しかし、お互い好みのタイプではないため、飾ることなく素を見せながら目的地までバスで移動します。

出会い当初は利害関係で恋愛の対象外という距離感が恋愛映画のお決まりなパターンといえるでしょう。

お嬢さまが目的地までたどり着けるのか、序盤からワクワクさせてくれます。

窮地に立つときに知る魅力(ギャップ)

うっかり、バスを乗り過ごしてしまいヒッチハイクをするはめになる2人。お嬢さまの荷物はバスに置いていたので、お金も服もない状態。

そんな窮地であっても新聞記者の逞しい生活力にお嬢さまは惹かれていきます。そして、気が強く我儘なお嬢さまでも環境に応じて馴染もうとする姿に新聞記者は面白がります。

距離感が少しづつ近くなり、お互いが本来の目的を見失いがちに。

ヒッチハイク編では有名な「ジェリコの城壁」シーンがあります。崩れることのない強固な壁を意味しているようです。バスでは強気だった二人から別の面が見えてくる展開です。

誤解を乗り越えて・・

お互いが当初思っていた利害関係は、惹かれ合っていくなかで誤解を生むことになります。

利害関係で当初の目的は成し遂げているのに、お互いは本心で喜んではいません。

特にお嬢さまのマリッジブルーが深刻になっており、誤解している関係のもどかしさが恋愛映画のスパイスになっています。

そして、誤解を乗り越えてのハッピーエンドはアメリカ映画の良さが詰まったお手本のようです。

ジェリコの城壁が崩れるシーンはコメディ要素があり、テンポの良さがあります。

まとめ:ロードムービーの面白さ

印象的なシーン「ジェリコの城壁」「ヒッチハイク」がありますが、ロードムービーである物語のテンポが心地よいです。目的へ向かいつつ変化が見えてくるエピソードに夢中になり、公開当時のアカデミー賞で監督・主演男優・主演女優・作品賞などを受賞するほど多くの人に支持がされました。

「ローマの休日」「卒業」に影響を与えた作品といわれています。

監督のフランク・キャプラは幼いころにアメリカに移民しています。主演の女優はフランス出身です。何代もわたってアメリカに住んでいる人達ではないけど、ハリウッドで実力を発揮しアメリカ映画の基礎を作ったという視点で鑑賞するのも面白いのではないでしょうか。

興味がわいた方は、ぜひ観ていただきたい傑作です。

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